- CHAPTER 3 -
人に寄り添う社会のインフラに
社名変更・
期待すること・未来に向かって
社会の課題を解決し
人々が安心して暮らせるように
01SocioFutureとは、Socio (社会の) +Future (将来、未来)
——社名をSocioFutureに変えられた意図について教えてください。
松本
この25年間、当社がここまで成長できてきたことには感慨深いものがありますが、この間私が盛んに言ってきたことは、「いつ社名変更するの?」ということでした。ATM監視で培ったノウハウをベースにしながら、社会にあるさまざまな課題を解決する企業としての方向性を社名で表すべきだと思っていました。SocioFutureに変更すると聞いたときには「これだ!」と思いました。
中野
2013年にゆうちょ銀行とATMの合弁会社を作ったとき、日本の課題は人口減少と地域創生だということを痛感しました。そして取り組むべきは、 ゆうちょ銀行と地方銀行のATMの共同化であり、地方自治体の DX化だと確信しました。金融と行政、医療・介護をセットで住民に安全安心な生活インフラを提供していく必要があると考えています。その社会インフラを担うと決めて、社名変更しました。
中邑
われわれ後期高齢者としては、SocioFutureが行政や医療の問題にどんどん手を伸ばしていくことで、健康寿命が延び、安心して暮らせるようになっていくことを期待したいです。
02ATMの未来予想図
中野
1998年当時に描いていたATMの将来像は、あと4、5年もすれば実現できると思っています。 どのベンダーのATMも、どの銀行のアプリケーションも共通化されることで、たとえATMの数が減っても、適切に配置できれば、人口減少地域を含めお客さまの利便性は維持され、かつ運営コストも削減できると考えています。いつも「こんなことができればいいな」って妄想し、それを構想しています。今から6、7年ぐらい前に思い描いた絵は、カプセル状のATMが自動でお客さまの自宅まで行って、そのカプセルの中に入ると、入出金だけでなく遠隔診療や生涯教育の研修が受けられるというものです。社員に話したらドン引きされましたけど。もう少し先の話になるかもしれませんが、そういう時代にしたいなと思っています。
SocioFutureが
キャリアのアンカーみたいな
存在になれば
03離れても戻りたいと思える会社に
山崎
ビジネスは技術の進歩によって、さらに効率がよくなってくると思いますが、その中でも一番大事なのは社員というか、人だと思います。
松本
そうですね。ただ世の中も大きく変わってきて、 新入社員が入っても3年で3割辞めるみたいな時代になっています。だから当社の社員も一定程度は辞めて、新しい経験を積むこともいいと思います。だけど、他社での経験を積み重ね、実力を増して、もう一度このSocioFutureを自分の力でより良くするために戻ってこようと思える会社であってほしいと思っています。
山崎
実は、そうしたアルムナイ人財が出てきています。
松本
それはうれしいことです。
山崎
当社のOB会は5年在籍すれば入会できます。企業のOB会というと、定年退職したお年寄りが茶飲み話をするために集まるというイメージがありますが、当社のOB会には若い人が結構います。それでOB会の集まりで当社の新しい事業の話などを耳にして、また会社に戻ってきてくれる人が増えています。企業人としていろんな世界を回ってキャリアを積むとしても、寄港地みたいな企業が必要なのではないでしょうか。SocioFutureがキャリアのアンカーみたいな存在になればいいなと思います。
04オープンな風土とチャレンジ精神を大事にして
中野
日本ATMを設立したとき、金融機関の課題を今までにない仕組みで解決していこうと始動しました。25年が経ち、金融機関から信頼をいただけるようになりましたし、自治体との関係性も強まってきました。これからも日本の課題はどこにあるのかをちゃんと見据えて、SocioFutureらしく解決していくことを真正面からやっていきたいと思っています。まずは日本の人口減少に対して海外から働き手をきちっと受け入れる仕組みを作って地域に展開したいと考えています。さらに、そのソリューションが海外にも転用できるようになればいいと考えています。当社の社員はいろんなフィールドから集まっているので多様性に富んでいます。ですから社員の生活や仕事における課題を解決できれば、社会の課題の解決につながるだろうと思っています。これからも社員とコミュニケーションを密にして、オープンな風土で、チャレンジ精神をもった会社であり続けたいです。このメッセージは、当社で一番大切なこととして次世代に承継していきたいです。