「心が折れそうなとき」
どう乗り越える?
——菅原さんは、創業時、退路を断って転籍されたそうですが、不安は感じなかったんですか?
菅原はい。日本NCRに辞表を提出して転籍しましたから、完全に片道切符だったんですね。周囲からは、どうしてそんなリスクが高いことをするのかと言われました。でも 私としては外資の傘下で決められたレールを走るのではなく、 自由活達に新しいことやりたいという思いが強かったんです。転職が当たり前の時代ではなかったですし、当然、売上が470億で、社員数が3000名の会社になるというイメージは全くありませんでしたが、とにかく一生懸命やって成長したいな、そのためには厳しい環境に自分を置くか、普通ではできないことを経験するしかないと思ったんです。
中沼実際に厳しい環境に身を置かれて、心が折れそうになったことはなかったんですか?
菅原心が折れそうになったことはありますが、折れたことはないんです。私の考え方の根本的な部分をお伝えするのに、このお話をするのが1番分かりやすいと思うんですけど、毎朝、日記をつけているんですよ。その日の嫌なことを書くんです。
中沼朝に、ですか?
菅原はい。書くことで、今日、これがあるからちょっとストレスがかかっているとか、プレッシャーがあるんだと認識するんですね。大きな案件やお客さまに謝りに行かなきゃいけない時は、準備をしなきゃいけないし、憂鬱ですよね。 それで翌朝に、その嫌だったことがどうだったかについて書くんです。そういうことをきちっと書いておくと、成長している証になるんですね。嫌なことをいかに乗り越えるかが、自分を成長させる糧だと思っているので、むしろ嫌なことがない日は成長してないと思うんですよ。
ただ自分の許容範囲を超えちゃうと体を痛めてしまいますから、キャパシティを知ることが大事です。経験からここまでだったら耐えられるということが分かってきますから、じゃあ次はもうちょっとやってみようというふうに、少しずつ伸ばしていくのがいいかなと思います。
中沼今まで嫌なことが成長の糧になるという発想はなかったので、考え方次第だなと思いました。
菅原はい。あ~今日も怒られるかもしれないといたずらな不安感を抱かずに、この山をどうやって乗り越えようかと健全な危機感を持って力を尽くせば、乗り越えたとき、きっと成長しているはずです。
夢は「なれる最高の自分」になること
吉田菅原さんの人生のモチベーションに、成長というキーワードがあると感じたのですが、その先にある菅原さんが目指す場所、夢とはなんですか?
菅原私の人生観として、 なれる最高の自分になりたいというのがずっとあるんですよ。タイミング毎に少しずつ成長していって、あと何年かしてビジネスマンをリタイアするとき、もうやり遂げたな、手を抜かないで終えられたなと思えたら理想だと思っています。
経営者としては、やはり物心両面で社員に対して報いたいと考えています。当然、給料面もそうですし、やはりやりがいですよね。人生の 半分以上は仕事をしている時間なので、ここがつまらなかったら、地獄になっちゃいますからね。当社で働く以上は、やりがいがあって楽しいなと感じてほしいですし、成長するための環境はしっかりと提供していきたいと思っています。